6月〜7月にだけ姿を現すホタル(蛍)、その小さな体から発する美しい光はホタルの儚い命を現すかの様に幻想的でかつ神秘的です。主に熱帯地域に生息しており、南西諸島に多く見られます。昔は至る所でその姿を確認出来ましたが、私達人間が環境を悪化させた事によって彼らは山奥へと姿を消してしまったのです。限られた環境で生息するホタル、最近ではその姿を滅多に見る事が出来ません。
和泉式部など様々な人が短歌や俳句として詠んでいる事から、ホタルはかなり昔から存在するのが分かります。最も古くから残されているもので、紀元720年の日本書紀において平安時代で既にホタルと呼ばれている事が書かれています。「火垂る」「火照る」「星垂る」などから、変化したのでしょう。
全体では2000種類、日本では46種類確認されています。夜行性と昼行性の2パターンが存在し、昼行性は発光機能が退化しやすくなっています。代表的なのがゲンジボタルやヘイケボタルなど、ゲンジボタルは綺麗な流水、ヘイケボタルは少し汚れた川など、種族によって生息環境は大きく異なります。
卵→幼虫→成虫と言う過程を辿り変態をします。ゲンジボタルとヘイケボタルのみ、幼虫時は水中で生息します。
種類によって異なりますが、幼虫期はカワニナやミミズなど様々。一方、成虫になると夜露や草露しか飲まなくなるので、食料は必要無くなります。これは、幼虫の時に摂取した栄養が残っているからであり、水分だけで事足りるようになるのです。
最大の外敵はクモ、他にはヒルやコウモリ、カエルなど。
ホタルが活発に活動するのは、午後7時半〜9時、午後12時、そして午前2時の3パターンです。その中でも、7時半〜9時が最もピークになります。8時半〜9時頃になると、パートナーを見つけて草に止まる姿が多く見られます。天候が晴れか曇り、そして風の弱い日だと特に多く見られます。
発光する原理は、ホタルの体内に存在するルシフェリンと言う発光物質とルシフェラーゼと言う酵素が酸化する際に光を放ちます。ホタルの光は熱を伴わない為、冷光と呼ばれます。
光って飛んでいるホタルの大半はオスであり、木の葉に止まっているのはメスです。これは光で合図を送りあう為の行動で、子孫を残す為に互いに懸命に光を放って探します。
幼虫や卵も発光しますが、これは求愛行動だけでなく外敵に対する警告行動と言う意味も含まれています。実際、ホタル科の昆虫には毒性を持っているものも存在します。しかし、種別や地域などによって発光パターンは異なる為、完全には解明されていません。
卵の期間1ヶ月、幼虫は9ヶ月、蛹になるまでと蛹の間が7週間と言う1年近い長い月日を掛けて彼らは成虫へとなります。しかし、外敵が多い事やホタル狩りをする人がいる事から平均3日程度と言われます。仮に、天寿を全うしても僅か2週間程度と非常に短い命であり、生殖活動を終えれば、後は命が尽きるのを待つだけなのです。メスの場合は、産卵を終えると亡くなってしまいます。
たった2週間しか地上で生きられない彼等、無闇に捕まえたりせず自由にさせてあげたいものです。
その美しい光を放つ事から、ホタルは昔から人気の高い昆虫です。ホタル狩りによって人々の目を楽しませますが、その一方でホタルの活動を妨げている事も多いのです。観賞しようとライトを当てるだけでも、ホタルの生殖活動の妨げになる事に繋がります。
逆にホタルを増やそうとして、エサとなるカワニナなどを放流する事で遺伝子汚染や生態系の破壊に繋がる恐れもあります。保護を目的にした行動が、他の動物の妨げになる事もあり、様々な配慮が必要とされます。
この様なトラブルは各地で発生しており、解決するべき問題は山積みです。
減少傾向にあるホタルを保護する為にも、次の行動を心掛けましょう。
・観察するのは可能ですが、必ず放しましょう
・音に敏感なので、静かに観賞する
・ゴミのポイ捨ては厳禁です、ちゃんと持ち帰りましょう
・ホタルの生息地に入らない
・光を当てない様に、車のライトは消しましょう
・携帯電話程度の光でも良くありません、使用する際は離れた場所で使いましょう